Jan 27, 2009
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米同時多発テロから9月11日で10年を迎えるのを前に、長男を亡くした東京都目黒区の住山一貞さん(74)、マリさん(71)夫妻が現地の写真やゆかりの品を集めた展示会を25〜30日、東京・中野で開く。今年は事件の首謀者とされる国際テロ組織アルカイダの指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者が米当局に射殺されたが、一貞さんは「人々の事件の記憶は薄れつつある。9・11をもう一度考えていただければ」と話している。【青島顕】
夫妻の長男、杉山陽一さん(当時34歳)はニューヨーク世界貿易センタービル南棟79〜82階にあった富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に勤務中、事件に遭い亡くなった。
一貞さんは「毎日、事件のことを考えるようになり」、1年半後に団体職員を辞め、03年に追悼歌集「グラウンド・ゼロの歌」を出版。毎年9月には渡米し追悼式に出席している。全国犯罪被害者の会にも参加し、海外で犯罪に巻き込まれた日本人遺族への支援を日本政府に求めている。
今年5月にはビンラディン容疑者が射殺された。「生きたまま捕らえ、事件を起こした理由を明らかにしてほしかった」(一貞さん)が、その機会は遠のいた。
「9・11 十年の軌跡展」と名付けた展示会には、日米のカメラマンが撮影した現地の写真や、秋川雅史さんの歌で有名になった「千の風になって」の英詩を一貞さん自身が訳し直した詩「今も一緒に」、贈られた折り鶴など約20点を展示する。東日本大震災が起こり、節電の必要から断念も考えたが「この機会を逃したくない」と開催を決めた。
事件では、24人の日本人を含む約3000人の命が奪われた。「事件後(イラクなどで)戦争が起こり、世界の流れが変わったが、日本では(事件が)重く見られていないように感じる。なぜこんなことが起きたのか、心の片隅でもいいので思い出し、考えていただければ」と話す。
会場は東京都中野区中野2の区勤労福祉会館で、午前11時から午後7時(30日は午後2時)まで。入場は無料。
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東日本大震災で津波被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区は、一流のすし職人が「日本一」と太鼓判を押す最高級の赤貝産地として知られる。築地市場では1キロ5000円の高値がつき、銀座の高級すし店では欠かせないネタだ。壊滅的な被害が予想されたが、震災から半年を前に地元漁港が漁再開に向け動き出している。【鈴木梢】
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赤貝は中国や韓国からの輸入品が多い中、閖上産はブランド化されていた。資源を守るため1回の漁で取る上限は30キロと決め、6センチに満たない貝は海に戻す。産卵期の7、8月は禁漁としている。昨年度の漁獲量は43トン。すしネタに適する13センチほどの貝は1キロ5000円で取引され、1貫2000円にもなるという。
県漁業協同組合閖上支所に100隻あった漁船は、全て津波でおかに打ち上げられた。市場では「震災前の漁場に戻るには3〜5年かかる」とささやかれていた。だが、支所が生息状況を調査するため8月9日、震災から初めて漁具を海底に下ろしたところ、順調に育った貝が見つかった。支所の出雲浩行運営委員長(46)は「海は落ち着いてきた。希望の光が見えた」と喜ぶ。
漁場の仙台湾は阿武隈川や名取川が流れ込み、山からの養分が海底に蓄えられる。そのため、身はうまみと磯の香りが強い。閖上産は、すし通から「本玉(ほんだま)」と呼ばれて珍重される。
レストランの格付け本「ミシュランガイド」で三つ星を獲得したすし職人、小野二郎さんが絶賛したことでも注目を浴びた。小野さんは「すきやばし次郎 旬を握る」(里見真三著、文芸春秋)の中で「築地で手に入るアカ貝では、閖上(宮城)が最高。肉厚なくせに、不思議に思えるほど柔らかい。色合が自然で上品。噛(か)みしめた時の歯触りと香りがいい。とにかく三拍子も四拍子も揃(そろ)っている」と評している。
8月末には、東京電力福島第1原発事故による放射性物質が貝に含まれていないか検査する。安全が確認されれば中古船を数隻確保し、禁漁明けの9月から漁を再開したい考えだ。
閖上産を扱ってきた銀座の高級すし店「銀座久兵衛」主人の今田洋輔さん(66)は「三陸は魚や貝の宝庫で、赤貝はその代表格。きちんと放射性物質の検査をして確かなものを出荷してくれれば、堂々とお客さんに出せる」と期待を寄せる。
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